なぜ漫画やアニメのキャラクターはトラックに轢かれるのか
(第10話 歩きスマホにご用心|もっとマンガで分かる!Fate/Grand Order)
前回転生トラックについてまとめたが、調べているうちにフィクションでのトラックの描かれ方が気になった。というのもweb小説に限らず、フィクションの世界ではトラック事故が非常に多いからだ。
例えば今期のアニメだと『亜人』と『僕だけがいない街』は、トラックの事故がきっかけで物語が動いていく。他にもなかったかと調べたら結構あったので、全てを網羅するのは不可能だが、最近のものを中心に印象的だった事故を幾つかに分類していく。
web小説以外のトラック事故
能力発動系
キャラクターが特殊能力を発揮、顕現、あるいは能力説明する際にトラックの事故が利用されることがある。
前述の『亜人』は、主人公がトラックに轢かれたことがきっかけで亜人と発覚する。
(第1話「僕らには関係ない話」より)
『僕だけがいない街』では主人公がピザの配達中、リバイバルという能力が発生して居眠り運転をするトラックから子供を救う。その代わり主人公が乗ったバイクと対向車が衝突し、病院送りになるのだが。
(第1話「走馬灯」より)
昨年放送の『Charlotte』では主人公が学園のマドンナを落とすため、5秒間だけ他人を乗っ取れる能力をトラックの運転手に使い、トラックを彼女に突っ込ませて助けるという自作自演を行っている。初期の乙坂さんのクズっぷりが懐かしい。
(第1話「我他人を思う」より)
『これはゾンビですか?』では、主人公が死なないゾンビの体という特異性を表すため、猫を助けてトラックにはねられるところから始まる。
(第1話「はい、魔装少女です」より)
余談だがこのすばの金崎貴臣監督はこれゾンの監督も務めているので、なかなか面白い繋がりになっている。
『このすば』をアニメ化した監督が以前に手がけた作品というハイコンテキスト - 法華狼の日記
この他にもトラックがきっかけになる物語はあって、15分間に7回までなら死んでも大丈夫な主人公の能力を見せる『いつか天魔の黒ウサギ』、他人のフラグを操る能力で死亡フラグを折って事故を未然に防ぐ『彼女がフラグをおられたら』、信号無視するトラック運転手の心を読み取って事故を回避する『琴浦さん』、猫を追いかけ道路に飛び出した少女がトラックに轢かれるところからループが始まる『メカクシティアクターズ』等々、枚挙に暇がない。
(『いつか天魔の黒ウサギ』第1話「900秒の放課後<前篇>」より)
(『彼女がフラグをおられたら』第1話「俺、この転校が終わったら、あの娘と結婚するんだ」より)
(『琴浦さん』第1話「琴浦さんと真鍋くん」より)
(『メカクシティアクターズ』第4話「カゲロウデイズ」より)
『ジョジョの奇妙な冒険』は……オインゴの予言が的中したしここに入れてもいい……かな……。
(第37話「ホル・ホースとボインゴ その2」より)
悲劇系
物語の展開でキャラが死ぬ際にトラックが使われるケースは、恐らくフィクションで一番多いと思う。過去にこんな悲しい事故があって……と、回想が入る場合も大抵トラック事故だったりする。
この手の事故で最も有名なのは『タッチ』だろう。
(第25話「南の一番長い日! 早く来てカッちゃん!!」より)
直接はねられる描写はない*1が、26話で野次馬が「飛び出した子供を助けようとしてトラックにはねられた」と話している。
ちなみに同じ手法を使ったのが『君が望む永遠』で、こちらも直接の描写はないが、デートの待ち合わせに遅れてきた主人公が現場の状況からヒロインが事故に巻き込まれたのを知る*2。
(第二話より)
回想で過去の事故が語られるものとしては、最近のものだとトラック事故でドールを失った『ファンタジスタドール』や、
(第12話「希望うきうき みんなきらきら」より)
トラックとの事故死がきっかけで、幽霊になった少女が出てくる『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』がある。
(第2話「嵐の中で輝いて」より)
キャラ退場系
上の悲劇系と重なる部分もあるのだが、物語の都合でキャラが半ば強引に退場させられるケース。
「主人公の両親は事故で既に死んでいる」といった場合は、大抵このケースか飛行機事故が多い。一気にキャラを葬り去れるからだろう。
個人的に最も驚いたのは『センチメンタルグラフティ』の主人公。続編『センチメンタルグラフティ2』のOPで、トラックの横転事故で亡き者にされるという、前代未聞の退場のさせられ方だった。
本来ならヒロイン達と共に主人公の死を悲しむ場面かも知れないが、どう見ても葬儀の場で12股が発覚した絵で、申し訳ないが笑ってしまう*3。
また、パラレル設定とはいえ槇村香が死亡する『Angel Heart』や、
(第1話「ガラスの心臓 ~グラス・ハート~」より)
『ダンボール戦機』で、自分を恨む人間をかばって犠牲になる宇崎悠介もここに入ると思う。
(第37話「要塞戦車バルドーマ」より)
ギャグ・コメディ系
本来トラックに轢かれるのは悲惨な事故だが、笑いに使われるのはフィクションならでは。
このタイプで近年最も有名な作品は『妖怪ウォッチ』。ジバニャンはトラックに敵意むき出しで挑む姿がコミカルに描かれている。
また子供にわからないだろう「僕は死にましぇーん」のパロディを重ねたりも。
(第1話「恐怖の交差点」より)
武田鉄矢 トラックに轢かれたジバニャンにシンパシー覚える|NEWSポストセブン
よく考えたらジバニャンは飼い主をかばって自分が犠牲になるので、猫から妖怪への転生ともいえる気がした。
(第25話「ジバニャンの秘密」より)
全くの余談だが、『イナズマイレブン』でもトラックの暴走が描かれている。『ダンボール戦機』といいレベルファイブはトラック好きすぎるので、こういう演出を日野の2トンと呼ぶことにしました。
(第96話「フユッペの秘密」より)
同じく『101回目のプロポーズ』ネタを使ったアニメでは『NARUTO SD ロック・リーの青春フルパワー忍伝』がある。
(第26話「ブラック企業の言いなりはコリゴリです」より)
この他には、魔法の国という異世界でトラックに轢かれるラスカル先生*4の絵がシュールな『赤ずきんチャチャ』、
(第7話「寒さ爆発!先生は雪女」より)
後述する『キャプテン翼』と『ミンキーモモ』の合わせ技な『ハヤテのごとく!! 2nd season』、
(第25話「執事とお嬢様の話ですから」より)
体が入れ替わるギミックにトラックを使う『銀魂』、
(第287話「おれがマヨラーで あいつが甘党で」より)
終盤はしんみりしてしまうが、事故から天国へ行く過程は完全にコメディタッチな『それでも町は廻っている』、
(第12話「それ町」より)
「私が急に死んだらどうよ?」と聞かれて、唯がトラックにはねられるゆずこを想像する『ゆゆ式』、
(第5話「唯と縁 とゆずこ」より)
最初の出会いと二度目の出会いでトラックにはね飛ばされる天丼構成の『血界戦線』、
(第6話「Don't forget to Don't forget me」より)
度胸試しで道に飛び出してトラックにはねられる『あいまいみー』などがある。
(第4話「度胸MAX人間」より)
いずれもフィクションでなかったら大惨事である。
しかしこの手の表現で最も忘れてならないのは漫☆画太郎だろう。
ファンの間ではもうお馴染みだが、毎回のように登場人物がアパートの階段から転落→トラックに轢かれるオチを使い回……続けている。
(※全部違う話です)
『世にも奇妙な漫☆画太郎』では何回使い回すんだというくらい同じオチの巻もあり、多分日本で一番トラックオチを使っている漫画家だと思う。というか画太郎先生以外にする人がいたら見てみたい。
天下の奇才、漫☆画太郎の漫画家25周年を振り返る!
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いつから衝突事故が描かれ始めたのか
ついでなので、いつ頃からフィクションにおいてトラックとの衝突事故が描かれるようになったか調べてみた。
転生トラックについて調べていた時、幽白と並んで挙げられている作品があった。1987年開始の小山ゆう『チェンジ』と、1982年開始の小池一夫/やまさき拓味『ラブZ』だ。
『チェンジ』は車椅子の少女がトラックにはねられて死んでしまうが、哀れに思った死神が自分の寿命と引き換えに、49日間だけ高校生に転生させる……というところから始まる物語。
一方『ラブZ』も、同じく主人公が第1話からトラックにはねられて死んでしまう。その後幽霊となって、好きだった女の子の前に現れるというもの。
また『ラブZ』のような幽霊ものの漫画では、1979年開始の『おじゃまユーレイくん』がある。
(おじゃまユーレイくん|コミックパークで立ち読み!)
主人公が1話から交通事故に遭い、幽霊になってしまう作品で、これも幽白のルーツとしてよく挙げられる。
転生や幽霊ものを抜きにした作品としては、物語開始早々に主人公の飼い犬がトラックにはねられて死んでしまう『おはようスパンク』(1978年開始)がある。
この作品が他と違うのは、事故を起こしたトラック運転手(池上 玲)ががっつり物語に絡んでくる点だろう。トラックが主要キャラの死のきっかけになる作品において、運転手に個性が与えられることは非常に稀だと思う。
80年代初めでは『キャプテン翼』が挙げられる。
(なぜに多発した!? キャプ翼交通事故問題!:キャプテンだった翼:SSブログ)
この漫画も大概交通事故が多く、翼くんを筆頭に登場人物がとにかく事故に遭いまくる。高橋先生に一体何があったというのか……。
これらの作品を見ていくと、トラックとの事故がきっかけで物語が動いていく構成は、70年代後半から80年代の時点で存在することが分かる。
しかしこういう交通事故を描いたエピソードはもっと古くからある気がする。もう少し時代を遡ってみると世間に衝撃を与えた作品があった。『タイガーマスク』の最終回だ。
1971年に描かれた原作の最終回はアニメと違い、子供をかばった伊達直人がダンプカーにはねられ、人知れず死ぬという衝撃の結末を迎える。
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なおアニメ版では第64話で交通遺児と接するエピソードがあるが、そんな伊達自身が交通事故に遭って終わるのは皮肉な話だと思う。
(〔視・読・聴〕: タイガーマスク #64「幸せの鐘が鳴るまで」)
1970年に交通事故の死者数はピークに達する。自家用車の普及、道路・物流の整備といったモータリゼーションが進むに伴い、事故も増加していく交通戦争の時代。そういう時代背景も色濃く反映されたのかもしれない。
そこにヒントを得て近い時期のアニメをリサーチしてみると、やはりそういった背景を盛り込んだ話が見受けられる。
例えば1969年放送の『ひみつのアッコちゃん』では第5話「すてきな自転車ランランラン」、第65話「ダイヤル0はひとりぼっち」、第79話「 歩くのよ! 自分の足で」など、交通事故を巡る話がいくつかある。
アッコちゃんの前に放送されていた、東映魔女っ子シリーズ第1作の『魔法使いサリー』でも事故を描いた話が見られる。
まだモノクロだった1967年2月27日放送の第13話「いじわるテスト」では、サリーがよし子との友情を確認するために街中で仮病を使ってうずくまり、道の反対側から駆けつけようとしたよし子がトラックにはねられてしまう。
他にもサリーでは第37話や第50話など、登場人物が度々事故に巻き込まれるという交通戦争を下敷きにした回があって、当時の交通事情が伺える。
http://sakuhindb.com/pj/HARIKYU/20110512.html
http://sakuhindb.com/pj/HARIKYU/20110517.html
昔は良かったと美化されることもあるが、まさに戦場同然で無法地帯だった昔の道路こわい。
では日本初の少女向けアニメでもあるこの作品が、最初にこのシチュエーションが使われた作品なのだろうか?
いや肝心な作品を忘れていた。『鉄腕アトム』だ。
アトムは天馬博士が死んだ息子のトビオに似せて作られたロボットだが、そのトビオの死因はトラックとの衝突事故だ。
日本初の30分枠TVアニメシリーズ『鉄腕アトム』第1話でその様子が描かれている。漫画では『アトム大使』の第4回にあたる。
(虫ん坊 2012年2月号(119):TezukaOsamu.net(JP))
つまり日本のアニメはトラックとの衝突事故から始まっていたんだよ!! Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー
ちなみに今月から始まった『魔法つかいプリキュア!』第1話の敵キャラはトラックが変化したものだった。日本初の30分アニメと最も新しいアニメがトラックで繋がっているのは、決して偶然ではないだろう。多分。
(第1話「出会いはミラクルでマジカル!魔法のプリキュア誕生!」より)
とりあえずアニメと漫画の分野で掘り下げてみた(特撮の分野は詳しくないので除外してます。すいません。)。更に古い実写の映画やドラマ、というか車が生まれた時代まで遡ろうと思えば遡れそうだが、面倒なので誰かに任せます。
大量の映画から「突然車に轢かれるシーン」だけを抽出したマッシュアップ映像
なぜ漫画やアニメのキャラクターはトラックに轢かれるのか
調べてみて改めて思ったが、やはりトラックとの事故多すぎる……。なぜここまでトラックが多いのか考えてみた。
・間違いなく死ねる
転生トラックについて調べていた時、挙げられた理由で最も多かったのがこれだった。
自転車でも打ちどころが悪ければ死んでしまうことがあるが、それに比べるとトラックは鉄の塊が時速ウン10kmで突っ込んでくるのだから、確実に死ねそうという説得力がある。『無職転生』の作者、理不尽な孫の手氏はこうツイートしている。
トラックじゃなくてもいいけど、トラックには「5tトラックが減速しないで突っ込んできたら即死してもおかしくないな」ぐらいの説得力がある
— 理不尽な孫の手 (@Magote_rihujin) 2016, 1月 30
『寄生獣 セイの格率』でも、あの後藤を足止めするのに一役買っていた。トラック強い。
(第16話「幸福な家庭」より)
ところでフィクションでは主に中型トラックの出番が多い気がする。街中でよく見かけるトラックが中型というのもあるかもしれないが、他にも理由があると思う。車両総重量が10トン以上ある大型トラック、バスやトレーラーだと、はねるというよりズルズル轢くというか、あまり勢いのない感じがするのだ*5。
勿論トラックではなくバスが使われる作品も一応あるにはある。
(『失われた未来を求めて』第1話「失われた未来」,『ノラガミ』第1話「家猫と野良神と尻尾」より)
が、勢いよく突っ込んできてはねるという絵を想像しやすいこともあり、中型が選ばれるのかもしれない。
・イメージのしやすさ
(『ミンキーモモ』第46話「夢のフェナリナーサ」より)
トラック事故が描かれる場合、上のような構図になる事が多い。目の前に避けようがない大きな物体が突っ込んでくる絶望感、威圧感が感じられる。
これが乗用車、ましてや自転車となると、文章で読んだときに同じような絶望感を感じるかというとなかなか難しいと思う。
読み手からすればトラックが突っ込んできたと書かれていれば、まず助からないでしょというイメージのしやすさがあるので書き手も使いやすいのではないだろうか。
逆に文章ではピンとこなかったが、映像にすると絶望感を感じたケースとしては『Kanon』がある。
ゲーム版で秋子さんの事故は詳しい描写があったわけでもないので、悲惨さのイメージがしにくかったが、アニメ版では定点カメラ風のアングルで乗用車が突っ込む様子を生々しく描いている。トラックではないが圧倒的絶望感。これは映像の説得力を感じる。
(第21話「君のいない輪舞曲~ronde~」より)
・トラックによる交通事故が身近
交通事故の死者数は交通戦争と呼ばれていた時代から比べれば減少しているが、トラックが絡む死亡事故は約4割と高い割合を占める。
トラック絡む死亡事故増加で一斉取り締まり 警視庁|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト
平成26年の交通事故統計分析結果
若者(特に10代後半から20代前半)の死因では自殺がトップ,続いて不慮の事故が多く,不慮の事故では大半が交通事故。なのでこの年代の人物が自殺以外の理由で亡くなる描写として交通事故になるのは,おそらく同世代の作者たちにとっては自然そう。
— myrmecoleon (@myrmecoleon) 2016, 1月 30
トラックが危ないというイメージは、アニメの中で交通安全啓発の話にも使われる。
交通事故死者数が70年代から再び増加に転じ、1988年には1万人を超えて第二次交通戦争と言われた時代。1991年制作の『絶対無敵ライジンオー』では、サブタイトルからしてそのものズバリの回がある。
冒頭「交通事故は人類の敵」という吼児の言葉に反応して、トラックの邪悪獣が生まれてしまうのだが、これを子供が見たらトラックこわ近寄らんとこ……と思える程度にトラックへの恐怖を植え付ける話になっていると思う。
(第6話「交通戦争を生き残れ!」より)
今期のアニメでは『ナースウィッチ小麦ちゃんR』の中で交通安全啓発のムービーが流れるが、ここでもトラックが事故のきっかけに使われている。トラックこわい。
(第2話「ストーカー!?ここなちゃん危機一髪!」より)
・ドライバーの運転、気性が荒そう
『タッチ』25話で和也の死を知った達也は、横断歩道でトラックを前に立ち尽くすのだが、運転手のおっちゃんが終始バカヤローなどと罵声を浴びせ続ける。
(第25話「南の一番長い日! 早く来てカッちゃん!!」より)
26話で病院へ向かう途中、飛び出した子供を見て急ブレーキをかけるタクシーの運転手がいるが、「はねたらこっちの責任になりますからね」と愚痴るのに比べるとトラックの運転手ガラ悪すぎる……。
『探偵チームKZ(カッズ)事件ノート』でもトラックの運転手は悪く描かれていて、積み荷の牛肉に豚肉を勝手に混入して結果的に会社を倒産させるという話がある。トラック運転手のイメージ悪すぎる……。
(第7話「卵ハンバーグは知っている(3)」より)
全員がそうではないが、一部のドライバーに問題があって事故を起こしやすい印象に繋がっているかもしれない。
・事故だと未練が残らなそう
転生トラックの話になるが、トラックを使った事故だと現世への未練が残らなそうというのがある。
なろうの異世界小説の導入に転生トラックが多いのは、その辺にいる健康な青少年が特に本人に動機も責任も理由もなく死ぬ理由として便利だからだと思う。因縁があって殺されると話がその因縁を軸にして動いてしまうし、病気だと病気から解放された解放感が軸の一つになる。どっちも観測。
— 増田太一郎 (@ta1low) 2016, 1月 30
あと殺す側が殺そうとしてないし遺族も死を受け入れてしまうのも転生トラックのポイントで、主人公にいきなり消失された家族や友人によるドラマを書き込まなくてもよいのだ。それを書きたいなら転生トラック以外の導入にすればよいし、そういう話ももちろんあるのだ。
— 増田太一郎 (@ta1low) 2016, 1月 30
トラック転生が便利なのは
— 岡本 基 (@obakemogura) 2016, 1月 31
・地球で一度死ぬため
・転移じゃないことを明示
・死に方そのものがトラウマ化しない。溺死や火事で死亡だと、水や火が怖くなりそう
・唐突に死ねる
・通り魔や怨恨だと生々しさがあり、後腐れが残りそう
・自殺は暗すぎる
って辺りでは。
「蒼鋼の冒涜者」で転生原因を火事にしたのは勿論、それなりの意味があってやってる訳ですが、何故「トラックに轢かれて転生が多いのか」については個人的に考察してみた事もある。アレが「良い」のではなくて、他の死因だと「良くない」のだろうなあというのが、私の結論。
— 榊一郎 (@ichiro_sakaki) 2016, 1月 29
榊一郎氏もこう書いているが、トラック以外の死因だと別の因縁が生まれてしまうというのが大きいと思われる。
転生トラック以外の導入で浮かぶのは、通り魔に刺されて死ぬという『転生したらスライムだった件』だろうか。これはこれで面白い。
http://ncode.syosetu.com/n6316bn/
あと他に転生トラックもので見かける理由としては、異世界へ飛ばすにはトラックくらいのエネルギーが必要という理論や、運送屋だけに異世界に運送するイメージからトラックが使われるというものもある。パロディが定着してからの後付の理屈かも知れないが面白い。
まとめ
トラックはフィクションにおいて、物語の始まりやキャラの生死を左右させる便利な道具になっていると思う。その反面、今後安全性が確保されていった場合、トラック事故の扱いがフィクションの中でどうなっていくかというのは興味深い。
例えばGoogleなどが進めているような完全自動制御の車が当たり前になって、トラックにも標準搭載された場合、事故を物語に使うことが難しくなりそうという想像ができる。素人考えではシステムを何者かがハックして車が暴走……みたいな展開を考えてしまうが、それはそれで別の因縁が生まれてしまいそうなので、そこは創作者の腕の見せ所になっていくのではないでしょうか。
おわり。
【参考資料】
夏休み特別企画 交通事故で亡くなったアニメキャラ |後遺障害無料相談『秋葉行政書士事務所』
主人公が死んでしまうアニメを教えてください。 -主人公が死んでしまう- アニメ | 教えて!goo
https://gazoo.com/car/history/Pages/car_history_001.aspx
『道路が危険すぎ』交通戦争と呼ばれた昭和30年代の日常まとめ6 - いまトピ
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