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カトゆー家断絶

趣味について書きます

保育園開園断念のニュースを読み比べてみた

まとめ ニュース

 ネットを見ていたら私立保育園が周辺住民の反対を受けて開園を断念した、というニュースが目に入りました。しかも反対の理由が「子供の声がうるさいから」といったものらしく、世知辛いなぁと思ってたらTwitterでこんな意見を目にしました。

 高齢者が「静かに暮らしたいから」という理由で反対してるイメージを想像していたのですが、単に子供の騒音だけが問題と片付けるのは早合点だったかも……と思いました。

 すでにこういったネットニュースも出ていますが、各マスメディアはこの問題について、どこに焦点を当てて報道していたのかが気になったので調べてみました。

読売

 見出しでは保育園側の説明が不十分だったことを表す住民の声が使われてます。記事の内容も建設予定の看板を立てたところから開園断念までの一連の経緯が綴られています。
 最後は記者会見した小西・こども施設計画課長と反対住民の両者のコメントを掲載。

一方、反対の署名をした近くの女性は「看板設置前に何の説明もなく唐突だった。自宅で親の介護もしており、静かな環境で暮らしたい」と話す。別の住民は「道路が狭く、送迎車両が増えると安全確保が難しくなる」と説明した。予定地に面する道路は狭いところで幅約3メートルで車のすれ違いはできない。

 ここでは子供の声が特段強調されている印象はなく、道路が狭いことで送迎に伴う安全面の問題が挙げられています。

朝日

 最初の段落で「周辺道路の幅が狭く、車の通行量の増加などを心配する声が多かった」ということを伝えています。またその後で子供の声についても触れています。

 子どもの声がうるさいことや、3~4メートルの幅の道路に車や人が増えることが反対の理由だという。予定地近くの女性は「道路が狭く危険。保育園向きの立地ではない。示された計画では駐車場が2台分しかなかった」と話した。

 気になるのは園側の対応についての報じ方です。

保育園を運営する予定だった社会福祉法人(同県松戸市)は昨夏から住民に園の建設を説明した。だがその後、住民約40人が法人や市に白紙撤回を求め要望書を提出。「保育園建設反対」の貼り紙も掲示した。

 読売の記事では住民に事前説明なく建設予定の看板を突然立て、その後住民側と面談を実施したと書かれていましたが、朝日の記事を読むと運営側は当初から丹念に説明したが理解を得られず……みたいにちょっと受ける印象が変わります。

毎日

 見出しに子供の声を持ってきています。

 千葉県市川市で4月に開園予定だった私立保育園が「子供の声でうるさくなる」などの近隣住民の反対を受け、開園を断念していたことが分かった。

 最初の段落でもこのようにクローズアップしていますが、その後の段では、

「子供の声が騒音になる」「保育園が面する道路は狭いので危険だ」などの意見が強く、建設に着手できなかった。

 ということを伝えています。


 また上記記事の反響を受けてか12日の夜に新たに記事が出されます。

 ここでも見出しと冒頭の段落で子供の騒音が強調されています。

 千葉県市川市で4月に開園予定だった私立保育園が「子どもの声でうるさくなる」などと近隣住民から反対されて建設を断念したことが波紋を広げている。

 では安全面について何も触れられてないかというとそうでもなく、

 建設予定地は幅約3メートルの道路に面していた。地元には保護者らの車や自転車の往来が激しくなり、危険が増すとの懸念がもともと強く、市の説明不足や対応の悪さを指摘する声も相次ぐ。

 と市の対応についてもあわせて報じています。
 その後は反対した住民と、消極的賛成と思われる住民と小西課長の3者のコメントが掲載。
 また最後に「子供の声巡り各地でトラブル」と子供の騒音を巡るトラブルを幾つか紹介しています。

日経

 共同通信の記事をそのまま配信してる分しか見当たりませんでしたが一応チェックします。
 冒頭の「近隣住民の反対で開園中止に追い込まれた」という表現が園側に寄ってる気がしますが気にしないことにします。
 建設予定の看板を突然立てたことは書かれていませんが、市と園が昨年10月以降に説明会を複数回開いたことが書かれており、

「騒がしくなる」「狭い道路に送迎の車が入ると危険」などの意見が出て、建設に着手できなかった。

 ということを伝えています。
 最後のコメントは「住民に受け入れてもらえなかったのは残念」という市の担当者のみ。

共同通信

 一応その後の共同の記事も見てみると、他に断念や延期に追い込まれるケースを調査していましたが、見出しは「子どもの声うるさい」を持ってきていました。
 もうちょっと他にもどういった理由があったかの中身が知りたいところです。

産経

 この問題に関して産経は熱心? なのか、「保育園開園中止」の記事を幾つか出しています。

 最初の記事では見出しに「子供の声」を持ってきています。

説明会を複数回開いたが「騒がしくなる」「狭い道路に送迎の車が入ると危険」などの意見が出て、建設に着手できなかった。

 という問題の経緯が報じられています。最後は市の担当者と近隣住民双方のコメントを掲載。

「道路が車1台やっと通れるくらいの狭さで、送迎のときに事故が起きるのが怖い。子供の声も気になる」と

 送迎と子供の声が問題点として挙げられています。


 その後の記事では市が折衷案を出したものの、住民から理解を得られなかったという経緯が掲載。

市は事業者とともに住民説明会などで「防音壁を設置し、窓を二重にする」「送り迎えの保護者が車で道路に侵入しないように、別の場所に駐車場を借りる」といった対策を示して折り合いを図ったが、「聞く耳持たない状況」となり、開園中止に至ったと説明している。

 しかし「聞く耳持たない状況」はちょっと穏やかじゃない表現な気がします。


 一方で送迎と子供の声の問題、また住民に事前の相談がなかったことから市の対応を指摘する声が拾われています。

住民側からは騒音や交通事故の危険性のほか、「そもそも住民に相談なく保育園設置が決まっており、市の対応に不満がある」といった声も噴出したという。


 また【保育園開園中止】のラベルが貼られた2つの記事では、どちらも子供の声は騒音なのか? といった点に絞って記事が書かれています。
 ただ反対の声を上げているのは様々な年代の人だと思うのですが、「高齢者らが反対」という見出しは対立を煽る方向に持って行ってないか気になります。

東京新聞

 見出しで子供の騒音問題が拾われており、「住民からは「子どもの声でうるさくなる」との批判もあった。」という部分が紹介されています。

法人は昨年八月下旬、現地に開園を知らせる看板を立てたところ、住民から「子どもの声が騒音になる」「狭い生活道路が車や送迎の自転車で混雑し危険」などの反発が出た。

 また発端となる部分からの経緯と送迎の問題も合わせて報じています。
 最後の中山教授のコメントと「厚生労働省の昨年の調査では、園児の声を騒音と思うことに共感する人の割合は35%。」というデータを紹介するあたり、東京新聞は子供の声が問題の焦点という立場なのかなという印象を受けます。


 ついでなのでテレビ局のニュースも見てみます。

日テレ

 「近隣住民から道路が狭く危険だといった意見や、子供の声で騒がしくなるという声など、反対が相次ぎ開園を断念していたことがわかりました」と問題の概要を説明。
 最初に都内の保育園で講じられている騒音対策を幾つか紹介するなど、騒音問題に重点を置いて報道していました。


 その後、今回の問題になった市川の件について経緯が流れます。
 8月に住民が建設反対を訴え(「子供たちの声でうるさくなる」というコメントつき)、10月の説明会では車や人の往来が危険という意見が出たことが紹介。


 また近隣住民のインタビューを流し、騒音は対策できるが幅が狭い道路での危険性は対策が難しいといった点が指摘されていました。

テレ朝

 保育園が開園予定だったものの、住民から反対を受けて中止という概要を摘んだ報道。
 この結果を受け、開園したら転園できていたかもしれないという子供を持つ近隣住民のインタビューのあと、なぜ計画が中止されたかの部分がクローズアップされます。


 ここでは子供の声が騒音にならないかという部分を不安視した反対住民のインタビューが流されています。右上のテロップも「うるさくなる」と強調。


 その後、道路の狭さを指摘する声や送迎に伴う安全面の問題点が取り上げられていました。


 報道ステーションではより踏み込み、導入で「子供たちの声がうるさいというのがその理由の一つのようなんですけども、取材を進めていきますと、どうもそれだけではないようなんです」とキャスターがコメント。


 「一番はここの道路事情」といった反対住民達の声を紹介していました。

TBS

 簡単な経緯ながら問題の概要が押さえられており、「子どもの声もうるさいのもあるが、それだけではない。この道路も狭いし、すれ違うこともできない」と、近隣住民のインタビューが紹介されていました。


 右上のテロップも「道が狭い」という点が強調されていて、騒音問題よりも送迎に伴う安全面に焦点を当てた報道になっているのかなと思います。

 TBSの他のニュース番組は見てないのですが、8月の訴えで騒音、説明会では道路の状況に論点があったという流れは日テレの報道と共通するので、恐らく運営側の経緯の説明がそうだったんじゃないかなと思います。

フジ

 ちょっと動画ニュースが見当たらなかったですが……「「子どもの声でうるさくなる」と、近隣住民からの反発を受け、開園を断念していたことがわかった。」と、報じています。

近隣住民から、「子どもの声でうるさくなる。保育園が面する道路は、狭くて危険だ」などと声が上がって、反対運動が始まった。

 と一応道路の危険性を指摘する声も拾われています。

NHK

 見出し自体は簡潔に概要を伝えるスタイルです。

子どもの声でうるさくなるなどとして反対が相次ぎ、去年9月には住民から社会福祉法人に計画を白紙に戻すよう求める要望書が提出されたということです。


 冒頭では子供の騒音を最初に持ってきていました。また運営側の理事長の、

社会福祉法人の理事長は「これまでに付近の住民を対象に説明会や意見交換会を合わせて3回開いたが、子どもの声がうるさいとか、保育園に面する道路が狭く出入りする車が危険だといった反対の意見が多く、開園を断念した。近隣の協力を得ないと運営はできず、残念です」と話しています。

 といったコメントを掲載。
 その後反対する気持ちもわかるという女性のインタビューでは道路事情が挙げられていました。

孫がいるという60代の女性は、「反対する気持ちも分かるような気がします。予定地だった辺りは道が狭くて曲がりくねって道路事情がよくありません。子どもを車で送り迎えするとなると、危ないと思います」と話していました。


 別にいいかもしれませんが最後にネットのニュースサイトも見てみます。

 市川市の会見に出席したと思われる弁護士ドットコムは、

反対意見で大きかったのは、「保育園が面する道路は抜け道になっているのに、車がすれ違えないくらい狭く危険」という安全面についての声だったという。また、事前に社会福祉法人や市側からの説明がなかったことも問題視されたそうだ。

小西課長は「市川市はもともと道が狭い。その中では道路が見通しもよく、(幼稚園も安全性に)配慮された設計だったので、設置に特に問題があるとは思っていませんでした。言葉が不十分で誤解を招いた部分もあったかもしれません」と述べた。

 と最も大きい反対意見として道路事情があったことを報じています。また騒音に関しても、

反対意見では「子どもの声でうるさくなる」という声も大きく、このことが報道されて、物議を醸している。これに対して、小西課長は「社会福祉法人は、防音壁を設置する予定でした。住民説明会で二重窓にするなどの提案もしていましたが、聞き入れてもらえませんでした」と説明。

 と市側の見解(+担当者の私見)を合わせて伝えていました。


 ハフィントンポストは毎日新聞が報じた内容から全国から抗議が殺到した経緯を掲載。
 その後も産経、弁護士ドットコムの記事を引用し、最後に「子供の声めぐるトラブル、各地で」と過去の事例を幾つか紹介しています。
 個人的にはもうちょっと独自取材して欲しいと思ってしまいますが、今回の騒動を地元住民の目線から見た記事があるのは参考になると思います。


 IRORIOもこの問題に触れ、毎日新聞の記事を取り上げつつ、他の地域でも起きる騒音のトラブルをピックアップしています。
 またネット上、というかTwitterの子供の声に関する賛否両論をいくつか取り上げ、「子供の声は騒音になるか否か」という部分を強調して伝えているように見えます。


 最後はサイゾー系のBusiness Journal。見出しからして煽りまくってます。

反対の理由は「子どもの声や泣き声で騒がしくなる」「保育所前の道が狭い上に車の往来が多く、危険だ」という意見が中心。

 と一応反対住民の意見が伝えられており、

反対意見の大きな一つである「道が狭くて危険」という意見にはまずまず納得はできる。保護者や保育園の職員としても、ただでさえ子どもの動向に気を配らねばならない状況下で、道路に注意を払うという状況になるのは確かに危険だ。当該の場所では過去に事故も起きているという。

 と道路事情が危険という点は理解を示しています。
 ところがその後の段落で、

 しかし、「子どもの声や泣き声で騒がしくなる」という意見ははっきりいって意味不明だ。保育園側は防音壁なども設置すると近隣への配慮を訴えたが、聞き入れられることはなかったのだとか。調べてみると、この地域は一軒家が多く、高齢者の世帯が多いという情報があった。「やっぱり老人か」と思った人も多いだろう。「静かに暮らしたいから子どもの声は邪魔」「静かに暮らす権利がある」などと主張しているという話も。

 はっきりいって、これこそが「老害」。市や地域周辺を自分のものだとでも勘違いしているのだろうか。無意味にビルを建設することで日照権が侵害されるなどとはわけが違う。待機児童という社会問題を少しでも解決するという明確な「目的」がある。「子どもが騒がしい」と語った人間の発言はあまりにも想像力に欠け、社会性がない。これが何十年も生きてきた大人の発言だろうか。自分たちにうるさい子ども時代はなかったのか。

 と老人叩きを展開。反対しているのは高齢者だけではないですし、こういう読者の感情を操作しようとするのはちょっと不誠実かと思います。

まとめ

 この保育園の断念報道に関しては騒音問題の賛否も勿論あると思うのですが、それと同じくらい道路が狭く送迎の面で危険性があること、また事前説明がなく唐突に建設計画が立てられ住民の理解が得られなかったことなど様々な論点があると思います。
 ところがその辺りを単純化して子供の声は騒音か否か、もっと極端に子供の声がうるさいと思う老人vs虐げられる若者、みたいに煽るメディアが出てくると問題点が見えにくくなってしまうと思ったので、今回ちゃんと調べてみることにしました。
 調べる前は自分自身、また子供の騒音の話かな? と思い込んでいたので、ちゃんと調べてみてよかったです。
 問題点が様々な今回の件、別に騒音問題ばかり取り上げるから悪いとか、道路事情を取り上げないメディアが悪いという話ではなく、メディアによって何を一番読者、視聴者に伝えたがっているかという点が違うだけかなと思います。
 まぁ変に煽るメディアには流されないようにしようと思いました。

 はい。


【参考記事】
「保育園の隣に住むのは発狂レベルの騒音だった」という話 |

実在の街を舞台にするアニメはいつから増えたのか

 先日Twitterを見てたらこんなツイートが目に入りました。

 うわー面倒くさい折角おばけの人に指名してもらったし、自分も気になったので調べてみることにしました。
 今回は「アニメで実際の町を舞台にするのが増えたのはいつ頃か?」という疑問なので、以下のまとめに登録されている2000年代以降のアニメ作品を制作年別に振り分けました。
0000-00-00 - info - 舞台探訪アーカイブ
作品別聖地一覧 | 聖地巡礼マップ
舞台探訪まとめWiki
作品一覧 (聖地巡礼・舞台探訪)
 本来なら物語の主要な舞台として描かれるケース(例:『たまゆら』における竹原市)と、限られたシチュエーションで実在の街を描いたケース(修学旅行の回に出てくる京都とか)は分けたほうがいいのかもしれませんが、面倒なので一緒くたにしてます。
 なお舞台探訪の分野は、既に専門家による先行研究が幾つもあるので、発祥などについてはここでは省略します。


 ということで結論から入ります。タイトルは長くなるからあとで。

制作年 実在の場所を描いたアニメの本数 全体のアニメ作品数 比率
2000年 4本 89本 4%
2001年 9本 113本 8%
2002年 13本 122本 10%
2003年 15本 131本 11%
2004年 23本 185本 12%
2005年 27本 172本 16%
2006年 26本 236本 11%
2007年 37本 218本 17%
2008年 32本 206本 16%
2009年 50本 236本 21%
2010年 51本 196本 26%
2011年 70本 252本 28%
2012年 77本 254本 30%
2013年 84本 250本 34%
2014年 91本 260本 35%
2015年 70本 239本 29%
2016年 31本 -本 -%

 制作年別の本数は以上になります。全体のアニメ作品数はTVアニメ、劇場版、OVAなども含んでますが、正確な数字が資料によってバラバラなので「アニメ評価データベース さち」の年間統計を利用させて頂きました。なお2016年は今後放送予定のものも含めてるので参考値ということで。
 ついでにグラフも。

 大体2006年以降に増加してるのではないでしょうか。おわり。


 参考資料として制作年別に振り分けたタイトル名も載せときます。抜けがあったらご連絡ください。2期ものはなるべくタイトル別で分けましたが、1期と2期の放送時期が近かったり、4期とか長大なものはまとめてる場合があります。面倒くさがりですいません。

2007年

アイドルマスター XENOGLOSSIA - 舞台探訪アーカイブ
Yes! プリキュア5 - 舞台探訪アーカイブ
ヱヴァンゲリヲン新劇場版 - 舞台探訪アーカイブ
ef - 舞台探訪アーカイブ
おおきく振りかぶって - 舞台探訪アーカイブ
怪物王女 - 舞台探訪アーカイブ
河童のクゥと夏休み - 舞台探訪アーカイブ
空の境界 - 舞台探訪アーカイブ
がくえんゆーとぴあ まなびストレート! - 舞台探訪アーカイブ
キミキス - 舞台探訪アーカイブ
逆境無頼カイジ - 舞台探訪アーカイブ
CLANNAD - 舞台探訪アーカイブ
月面兎兵器ミーナ - 舞台探訪アーカイブ
CODE-E - 舞台探訪アーカイブ
こどものじかん - 舞台探訪アーカイブ
さよなら絶望先生 - 舞台探訪アーカイブ
しおんの王 - 舞台探訪アーカイブ
神霊狩 - 舞台探訪アーカイブ
School Days - 舞台探訪アーカイブ
スケッチブック - 舞台探訪アーカイブ
瀬戸の花嫁 - 舞台探訪アーカイブ
sola - 舞台探訪アーカイブ
DARKER THAN BLACK -黒の契約者- - 舞台探訪アーカイブ
鉄子の旅 - 舞台探訪アーカイブ
ドージンワーク - 舞台探訪アーカイブ
ハヤテのごとく! - 舞台探訪アーカイブ
BAMBOO BLADE - 舞台探訪アーカイブ
ひだまりスケッチ - 舞台探訪アーカイブ
秒速5センチメートル - 舞台探訪アーカイブ
ぼくらの - 舞台探訪アーカイブ
Myself;Yourself - 舞台探訪アーカイブ
みなみけ - 舞台探訪アーカイブ
もっけ - 舞台探訪アーカイブ
もやしもん - 舞台探訪アーカイブ
らき☆すた - 舞台探訪アーカイブ
レンタルマギカ - 舞台探訪アーカイブ
ラブ★コン 聖地情報

2008年

あかね色に染まる坂 - 舞台探訪アーカイブ
アリソンとリリア - 舞台探訪アーカイブ
イヴの時間 - 舞台探訪アーカイブ
H2O - 舞台探訪アーカイブ
CHAOS;HEAD - 舞台探訪アーカイブ
かんなぎ - 舞台探訪アーカイブ
崖の上のポニョ - 舞台探訪アーカイブ
喰霊 - 舞台探訪アーカイブ
Kiss×sis - 舞台探訪アーカイブ
君が主で執事が俺で - 舞台探訪アーカイブ
Candy boy - 舞台探訪アーカイブ
CLANNAD AFTER STORY - 舞台探訪アーカイブ
「紅」 - 舞台探訪アーカイブ
シゴフミ - 舞台探訪アーカイブ
純情ロマンチカ - 舞台探訪アーカイブ
スキップ・ビート! - 舞台探訪アーカイブ
ストライクウィッチーズ - 舞台探訪アーカイブ
鉄のラインバレル - 舞台探訪アーカイブ
鉄腕バーディー DECODE - 舞台探訪アーカイブ
テレパシー少女 蘭 - 舞台探訪アーカイブ
天体戦士サンレッド - 舞台探訪アーカイブ
とある魔術の禁書目録 - 舞台探訪アーカイブ
図書館戦争 - 舞台探訪アーカイブ
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とらドラ! - 舞台探訪アーカイブ
夏目友人帳 - 舞台探訪アーカイブ
バトルスピリッツ 少年突破バシン - 舞台探訪アーカイブ
ヒャッコ - 舞台探訪アーカイブ
PERSONA - trinity soul - - 舞台探訪アーカイブ
マクロスF - 舞台探訪アーカイブ
魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~ - 舞台探訪アーカイブ
夜桜四重奏 - 舞台探訪アーカイブ

2009年

青い花 - 舞台探訪アーカイブ
あにゃまる探偵 キルミンずぅ - 舞台探訪アーカイブ
11eyes - 舞台探訪アーカイブ
うみねこのなく頃に - 舞台探訪アーカイブ
うみものがたり - 舞台探訪アーカイブ
かなめも - 舞台探訪アーカイブ
CANAAN - 舞台探訪アーカイブ
君に届け - 舞台探訪アーカイブ
空中ブランコ - 舞台探訪アーカイブ
クッキンアイドル アイ!マイ!まいん! - 舞台探訪アーカイブ
黒神 The Animation - 舞台探訪アーカイブ
けいおん! - 舞台探訪アーカイブ
けんぷファー - 舞台探訪アーカイブ
極上!!めちゃモテ委員長 - 舞台探訪アーカイブ
こわれかけのオルゴール - 舞台探訪アーカイブ
咲 -Saki- - 舞台探訪アーカイブ
サマーウォーズ - 舞台探訪アーカイブ
GA 芸術科アートデザインクラス - 舞台探訪アーカイブ
シャングリ・ラ - 舞台探訪アーカイブ
涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 - 舞台探訪アーカイブ
生徒会の一存 - 舞台探訪アーカイブ
センコロール - 舞台探訪アーカイブ
そらのおとしもの - 舞台探訪アーカイブ
宙のまにまに - 舞台探訪アーカイブ
DARKER THAN BLACK -流星の双子- - 舞台探訪アーカイブ
大正野球娘。 - 舞台探訪アーカイブ
タユタマ - 舞台探訪アーカイブ
電波的な彼女 - 舞台探訪アーカイブ
とある科学の超電磁砲 - 舞台探訪アーカイブ
東京マグニチュード8.0 - 舞台探訪アーカイブ
ドルアーガの塔 - 舞台探訪アーカイブ
泣かせる味に会いたい - 舞台探訪アーカイブ
泣かせる海に会いたい - 舞台探訪アーカイブ
泣かせる空に会いたい - 舞台探訪アーカイブ
NEEDLESS - 舞台探訪アーカイブ
にゃんこい - 舞台探訪アーカイブ
化物語 - 舞台探訪アーカイブ
バトルスピリッツ 少年激覇ダン - 舞台探訪アーカイブ
東のエデン - 舞台探訪アーカイブ
Phantom ~Requiem for the Phantom~ - 舞台探訪アーカイブ
プリンセスラバー! - 舞台探訪アーカイブ
フレッシュプリキュア! - 舞台探訪アーカイブ
WHITE ALBUM - 舞台探訪アーカイブ
マイマイ新子と千年の魔法 - 舞台探訪アーカイブ
空を見上げる少女の瞳に映る世界 - 舞台探訪アーカイブ
ミラクル☆トレイン - 舞台探訪アーカイブ
夢色パティシエール - 舞台探訪アーカイブ
ゆるめいつ - 舞台探訪アーカイブ
よくわかる現代魔法 - 舞台探訪アーカイブ
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2010年

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あそびにいくヨ! - 舞台探訪アーカイブ
アマガミSS - 舞台探訪アーカイブ
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宇宙ショーへようこそ - 舞台探訪アーカイブ
えむえむっ! - 舞台探訪アーカイブ
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オオカミさんと七人の仲間たち - 舞台探訪アーカイブ
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会長はメイド様! - 舞台探訪アーカイブ
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デュラララ!! - 舞台探訪アーカイブ
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ギルティクラウン - 舞台探訪アーカイブ
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なぜ漫画やアニメのキャラクターはトラックに轢かれるのか

まとめ アニメ


第10話 歩きスマホにご用心|もっとマンガで分かる!Fate/Grand Order



 前回転生トラックについてまとめたが、調べているうちにフィクションでのトラックの描かれ方が気になった。というのもweb小説に限らず、フィクションの世界ではトラック事故が非常に多いからだ。

 例えば今期のアニメだと『亜人』と『僕だけがいない街』は、トラックの事故がきっかけで物語が動いていく。他にもなかったかと調べたら結構あったので、全てを網羅するのは不可能だが、最近のものを中心に印象的だった事故を幾つかに分類していく。

web小説以外のトラック事故

能力発動系

 キャラクターが特殊能力を発揮、顕現、あるいは能力説明する際にトラックの事故が利用されることがある。
 前述の『亜人』は、主人公がトラックに轢かれたことがきっかけで亜人と発覚する。

(第1話「僕らには関係ない話」より)

 『僕だけがいない街』では主人公がピザの配達中、リバイバルという能力が発生して居眠り運転をするトラックから子供を救う。その代わり主人公が乗ったバイクと対向車が衝突し、病院送りになるのだが。

(第1話「走馬灯」より)

 昨年放送の『Charlotte』では主人公が学園のマドンナを落とすため、5秒間だけ他人を乗っ取れる能力をトラックの運転手に使い、トラックを彼女に突っ込ませて助けるという自作自演を行っている。初期の乙坂さんのクズっぷりが懐かしい。

(第1話「我他人を思う」より)

 『これはゾンビですか?』では、主人公が死なないゾンビの体という特異性を表すため、猫を助けてトラックにはねられるところから始まる。

(第1話「はい、魔装少女です」より)
 余談だがこのすばの金崎貴臣監督はこれゾンの監督も務めているので、なかなか面白い繋がりになっている。
『このすば』をアニメ化した監督が以前に手がけた作品というハイコンテキスト - 法華狼の日記


 この他にもトラックがきっかけになる物語はあって、15分間に7回までなら死んでも大丈夫な主人公の能力を見せる『いつか天魔の黒ウサギ』、他人のフラグを操る能力で死亡フラグを折って事故を未然に防ぐ『彼女がフラグをおられたら』、信号無視するトラック運転手の心を読み取って事故を回避する『琴浦さん』、猫を追いかけ道路に飛び出した少女がトラックに轢かれるところからループが始まる『メカクシティアクターズ』等々、枚挙に暇がない。

(『いつか天魔の黒ウサギ』第1話「900秒の放課後<前篇>」より)

(『彼女がフラグをおられたら』第1話「俺、この転校が終わったら、あの娘と結婚するんだ」より)

(『琴浦さん』第1話「琴浦さんと真鍋くん」より)

(『メカクシティアクターズ』第4話「カゲロウデイズ」より)


 『ジョジョの奇妙な冒険』は……オインゴの予言が的中したしここに入れてもいい……かな……。

(第37話「ホル・ホースとボインゴ その2」より)

悲劇系

 物語の展開でキャラが死ぬ際にトラックが使われるケースは、恐らくフィクションで一番多いと思う。過去にこんな悲しい事故があって……と、回想が入る場合も大抵トラック事故だったりする。
 この手の事故で最も有名なのは『タッチ』だろう。

(第25話「南の一番長い日! 早く来てカッちゃん!!」より)

 直接はねられる描写はない*1が、26話で野次馬が「飛び出した子供を助けようとしてトラックにはねられた」と話している。
 ちなみに同じ手法を使ったのが『君が望む永遠』で、こちらも直接の描写はないが、デートの待ち合わせに遅れてきた主人公が現場の状況からヒロインが事故に巻き込まれたのを知る*2

(第二話より)


 回想で過去の事故が語られるものとしては、最近のものだとトラック事故でドールを失った『ファンタジスタドール』や、

(第12話「希望うきうき みんなきらきら」より)

 トラックとの事故死がきっかけで、幽霊になった少女が出てくる『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』がある。

(第2話「嵐の中で輝いて」より)

キャラ退場系

 上の悲劇系と重なる部分もあるのだが、物語の都合でキャラが半ば強引に退場させられるケース。
 「主人公の両親は事故で既に死んでいる」といった場合は、大抵このケースか飛行機事故が多い。一気にキャラを葬り去れるからだろう。
 個人的に最も驚いたのは『センチメンタルグラフティ』の主人公。続編『センチメンタルグラフティ2』のOPで、トラックの横転事故で亡き者にされるという、前代未聞の退場のさせられ方だった。

 本来ならヒロイン達と共に主人公の死を悲しむ場面かも知れないが、どう見ても葬儀の場で12股が発覚した絵で、申し訳ないが笑ってしまう*3


 また、パラレル設定とはいえ槇村香が死亡する『Angel Heart』や、

(第1話「ガラスの心臓 ~グラス・ハート~」より)

 『ダンボール戦機』で、自分を恨む人間をかばって犠牲になる宇崎悠介もここに入ると思う。

(第37話「要塞戦車バルドーマ」より)

ギャグ・コメディ系

 本来トラックに轢かれるのは悲惨な事故だが、笑いに使われるのはフィクションならでは。
 このタイプで近年最も有名な作品は『妖怪ウォッチ』。ジバニャンはトラックに敵意むき出しで挑む姿がコミカルに描かれている。

 また子供にわからないだろう「僕は死にましぇーん」のパロディを重ねたりも。


(第1話「恐怖の交差点」より)
武田鉄矢 トラックに轢かれたジバニャンにシンパシー覚える│NEWSポストセブン

 よく考えたらジバニャンは飼い主をかばって自分が犠牲になるので、猫から妖怪への転生ともいえる気がした。

(第25話「ジバニャンの秘密」より)

 全くの余談だが、『イナズマイレブン』でもトラックの暴走が描かれている。『ダンボール戦機』といいレベルファイブはトラック好きすぎるので、こういう演出を日野の2トンと呼ぶことにしました。

(第96話「フユッペの秘密」より)


 同じく『101回目のプロポーズ』ネタを使ったアニメでは『NARUTO SD ロック・リーの青春フルパワー忍伝』がある。

(第26話「ブラック企業の言いなりはコリゴリです」より)


 この他には、魔法の国という異世界でトラックに轢かれるラスカル先生*4の絵がシュールな『赤ずきんチャチャ』、

(第7話「寒さ爆発!先生は雪女」より)

 後述する『キャプテン翼』と『ミンキーモモ』の合わせ技な『ハヤテのごとく!! 2nd season』、

(第25話「執事とお嬢様の話ですから」より)

 体が入れ替わるギミックにトラックを使う『銀魂』、

(第287話「おれがマヨラーで あいつが甘党で」より)

 終盤はしんみりしてしまうが、事故から天国へ行く過程は完全にコメディタッチな『それでも町は廻っている』、

(第12話「それ町」より)

 「私が急に死んだらどうよ?」と聞かれて、唯がトラックにはねられるゆずこを想像する『ゆゆ式』、

(第5話「唯と縁 とゆずこ」より)

 最初の出会いと二度目の出会いでトラックにはね飛ばされる天丼構成の『血界戦線』、

(第6話「Don't forget to Don't forget me」より)

 度胸試しで道に飛び出してトラックにはねられる『あいまいみー』などがある。

(第4話「度胸MAX人間」より)
 いずれもフィクションでなかったら大惨事である。


 しかしこの手の表現で最も忘れてならないのは漫☆画太郎だろう。
 ファンの間ではもうお馴染みだが、毎回のように登場人物がアパートの階段から転落→トラックに轢かれるオチを使い回……続けている。



(※全部違う話です)
 『世にも奇妙な漫☆画太郎』では何回使い回すんだというくらい同じオチの巻もあり、多分日本で一番トラックオチを使っている漫画家だと思う。というか画太郎先生以外にする人がいたら見てみたい。
天下の奇才、漫☆画太郎の漫画家25周年を振り返る!

 

いつから衝突事故が描かれ始めたのか

 ついでなので、いつ頃からフィクションにおいてトラックとの衝突事故が描かれるようになったか調べてみた。
 転生トラックについて調べていた時、幽白と並んで挙げられている作品があった。1987年開始の小山ゆう『チェンジ』と、1982年開始の小池一夫/やまさき拓味『ラブZ』だ。
 『チェンジ』は車椅子の少女がトラックにはねられて死んでしまうが、哀れに思った死神が自分の寿命と引き換えに、49日間だけ高校生に転生させる……というところから始まる物語。

チェンジ (1) (MF文庫)
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 一方『ラブZ』も、同じく主人公が第1話からトラックにはねられて死んでしまう。その後幽霊となって、好きだった女の子の前に現れるというもの。

ラブZ1
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グループ・ゼロ (2014-05-27)

 また『ラブZ』のような幽霊ものの漫画では、1979年開始の『おじゃまユーレイくん』がある。


おじゃまユーレイくん|コミックパークで立ち読み!
 主人公が1話から交通事故に遭い、幽霊になってしまう作品で、これも幽白のルーツとしてよく挙げられる。


 転生や幽霊ものを抜きにした作品としては、物語開始早々に主人公の飼い犬がトラックにはねられて死んでしまう『おはようスパンク』(1978年開始)がある。

 この作品が他と違うのは、事故を起こしたトラック運転手(池上 玲)ががっつり物語に絡んでくる点だろう。トラックが主要キャラの死のきっかけになる作品において、運転手に個性が与えられることは非常に稀だと思う。


 80年代初めでは『キャプテン翼』が挙げられる。

なぜに多発した!? キャプ翼交通事故問題!:キャプテンだった翼:So-netブログ
 この漫画も大概交通事故が多く、翼くんを筆頭に登場人物がとにかく事故に遭いまくる。高橋先生に一体何があったというのか……。
 これらの作品を見ていくと、トラックとの事故がきっかけで物語が動いていく構成は、70年代後半から80年代の時点で存在することが分かる。


 しかしこういう交通事故を描いたエピソードはもっと古くからある気がする。もう少し時代を遡ってみると世間に衝撃を与えた作品があった。『タイガーマスク』の最終回だ。
 1971年に描かれた原作の最終回はアニメと違い、子供をかばった伊達直人がダンプカーにはねられ、人知れず死ぬという衝撃の結末を迎える。


「星になったタイガーマスク」 ( 漫画、コミック ) - 風こぞうのブログ - Yahoo!ブログ
 なおアニメ版では第64話で交通遺児と接するエピソードがあるが、そんな伊達自身が交通事故に遭って終わるのは皮肉な話だと思う。

〔視・読・聴〕: タイガーマスク #64「幸せの鐘が鳴るまで」


 1970年に交通事故の死者数はピークに達する。自家用車の普及、道路・物流の整備といったモータリゼーションが進むに伴い、事故も増加していく交通戦争の時代。そういう時代背景も色濃く反映されたのかもしれない。
 そこにヒントを得て近い時期のアニメをリサーチしてみると、やはりそういった背景を盛り込んだ話が見受けられる。
 例えば1969年放送の『ひみつのアッコちゃん』では第5話「すてきな自転車ランランラン」、第65話「ダイヤル0はひとりぼっち」、第79話「 歩くのよ! 自分の足で」など、交通事故を巡る話がいくつかある。


 アッコちゃんの前に放送されていた、東映魔女っ子シリーズ第1作の『魔法使いサリー』でも事故を描いた話が見られる。
 まだモノクロだった1967年2月27日放送の第13話「いじわるテスト」では、サリーがよし子との友情を確認するために街中で仮病を使ってうずくまり、道の反対側から駆けつけようとしたよし子がトラックにはねられてしまう。

 他にもサリーでは第37話や第50話など、登場人物が度々事故に巻き込まれるという交通戦争を下敷きにした回があって、当時の交通事情が伺える。
魔法使いサリー レビュー 第37話 「東京マンガ通り」
魔法使いサリー レビュー 第50話 「まごころのかけ橋」
 昔は良かったと美化されることもあるが、まさに戦場同然で無法地帯だった昔の道路こわい。

 では日本初の少女向けアニメでもあるこの作品が、最初にこのシチュエーションが使われた作品なのだろうか?
 いや肝心な作品を忘れていた。『鉄腕アトム』だ。




 アトムは天馬博士が死んだ息子のトビオに似せて作られたロボットだが、そのトビオの死因はトラックとの衝突事故だ。
 日本初の30分枠TVアニメシリーズ『鉄腕アトム』第1話でその様子が描かれている。漫画では『アトム大使』の第4回にあたる。

虫ん坊 2012年02月号:手塚マンガあの日あの時 第21回:手塚マンガのロボット年代記・後編:TezukaOsamu.net(JP)

 つまり日本のアニメはトラックとの衝突事故から始まっていたんだよ!! Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー
 ちなみに今月から始まった『魔法つかいプリキュア!』第1話の敵キャラはトラックが変化したものだった。日本初の30分アニメと最も新しいアニメがトラックで繋がっているのは、決して偶然ではないだろう。多分。

(第1話「出会いはミラクルでマジカル!魔法のプリキュア誕生!」より)

 とりあえずアニメと漫画の分野で掘り下げてみた(特撮の分野は詳しくないので除外してます。すいません。)。更に古い実写の映画やドラマ、というか車が生まれた時代まで遡ろうと思えば遡れそうだが、面倒なので誰かに任せます。
大量の映画から「突然車に轢かれるシーン」だけを抽出したマッシュアップ映像

 

なぜ漫画やアニメのキャラクターはトラックに轢かれるのか

 調べてみて改めて思ったが、やはりトラックとの事故多すぎる……。なぜここまでトラックが多いのか考えてみた。

・間違いなく死ねる
 転生トラックについて調べていた時、挙げられた理由で最も多かったのがこれだった。
 自転車でも打ちどころが悪ければ死んでしまうことがあるが、それに比べるとトラックは鉄の塊が時速ウン10kmで突っ込んでくるのだから、確実に死ねそうという説得力がある。『無職転生』の作者、理不尽な孫の手氏はこうツイートしている。

 『寄生獣 セイの格率』でも、あの後藤を足止めするのに一役買っていた。トラック強い。

(第16話「幸福な家庭」より)

 ところでフィクションでは主に中型トラックの出番が多い気がする。街中でよく見かけるトラックが中型というのもあるかもしれないが、他にも理由があると思う。車両総重量が10トン以上ある大型トラック、バスやトレーラーだと、はねるというよりズルズル轢くというか、あまり勢いのない感じがするのだ*5
 勿論トラックではなくバスが使われる作品も一応あるにはある。

(『失われた未来を求めて』第1話「失われた未来」,『ノラガミ』第1話「家猫と野良神と尻尾」より)
 が、勢いよく突っ込んできてはねるという絵を想像しやすいこともあり、中型が選ばれるのかもしれない。


・イメージのしやすさ

(『ミンキーモモ』第46話「夢のフェナリナーサ」より)
 トラック事故が描かれる場合、上のような構図になる事が多い。目の前に避けようがない大きな物体が突っ込んでくる絶望感、威圧感が感じられる。
 これが乗用車、ましてや自転車となると、文章で読んだときに同じような絶望感を感じるかというとなかなか難しいと思う。
 読み手からすればトラックが突っ込んできたと書かれていれば、まず助からないでしょというイメージのしやすさがあるので書き手も使いやすいのではないだろうか。


 逆に文章ではピンとこなかったが、映像にすると絶望感を感じたケースとしては『Kanon』がある。
 ゲーム版で秋子さんの事故は詳しい描写があったわけでもないので、悲惨さのイメージがしにくかったが、アニメ版では定点カメラ風のアングルで乗用車が突っ込む様子を生々しく描いている。トラックではないが圧倒的絶望感。これは映像の説得力を感じる。


(第21話「君のいない輪舞曲~ronde~」より)


・トラックによる交通事故が身近
 交通事故の死者数は交通戦争と呼ばれていた時代から比べれば減少しているが、トラックが絡む死亡事故は約4割と高い割合を占める。
トラック絡む死亡事故増加で一斉取り締まり 警視庁
平成26年の交通事故統計分析結果

 トラックが危ないというイメージは、アニメの中で交通安全啓発の話にも使われる。
 交通事故死者数が70年代から再び増加に転じ、1988年には1万人を超えて第二次交通戦争と言われた時代。1991年制作の『絶対無敵ライジンオー』では、サブタイトルからしてそのものズバリの回がある。

 冒頭「交通事故は人類の敵」という吼児の言葉に反応して、トラックの邪悪獣が生まれてしまうのだが、これを子供が見たらトラックこわ近寄らんとこ……と思える程度にトラックへの恐怖を植え付ける話になっていると思う。

第6話「交通戦争を生き残れ!」より)

 今期のアニメでは『ナースウィッチ小麦ちゃんR』の中で交通安全啓発のムービーが流れるが、ここでもトラックが事故のきっかけに使われている。トラックこわい。

(第2話「ストーカー!?ここなちゃん危機一髪!」より)


・ドライバーの運転、気性が荒そう
 『タッチ』25話で和也の死を知った達也は、横断歩道でトラックを前に立ち尽くすのだが、運転手のおっちゃんが終始バカヤローなどと罵声を浴びせ続ける。

(第25話「南の一番長い日! 早く来てカッちゃん!!」より)
 26話で病院へ向かう途中、飛び出した子供を見て急ブレーキをかけるタクシーの運転手がいるが、「はねたらこっちの責任になりますからね」と愚痴るのに比べるとトラックの運転手ガラ悪すぎる……。

 『探偵チームKZ(カッズ)事件ノート』でもトラックの運転手は悪く描かれていて、積み荷の牛肉に豚肉を勝手に混入して結果的に会社を倒産させるという話がある。トラック運転手のイメージ悪すぎる……。

(第7話「卵ハンバーグは知っている(3)」より)
 全員がそうではないが、一部のドライバーに問題があって事故を起こしやすい印象に繋がっているかもしれない。


・事故だと未練が残らなそう
 転生トラックの話になるが、トラックを使った事故だと現世への未練が残らなそうというのがある。

 榊一郎氏もこう書いているが、トラック以外の死因だと別の因縁が生まれてしまうというのが大きいと思われる。
 転生トラック以外の導入で浮かぶのは、通り魔に刺されて死ぬという『転生したらスライムだった件』だろうか。これはこれで面白い。


 あと他に転生トラックもので見かける理由としては、異世界へ飛ばすにはトラックくらいのエネルギーが必要という理論や、運送屋だけに異世界に運送するイメージからトラックが使われるというものもある。パロディが定着してからの後付の理屈かも知れないが面白い。

まとめ

 トラックはフィクションにおいて、物語の始まりやキャラの生死を左右させる便利な道具になっていると思う。その反面、今後安全性が確保されていった場合、トラック事故の扱いがフィクションの中でどうなっていくかというのは興味深い。
 例えばGoogleなどが進めているような完全自動制御の車が当たり前になって、トラックにも標準搭載された場合、事故を物語に使うことが難しくなりそうという想像ができる。素人考えではシステムを何者かがハックして車が暴走……みたいな展開を考えてしまうが、それはそれで別の因縁が生まれてしまいそうなので、そこは創作者の腕の見せ所になっていくのではないでしょうか。
 おわり。

【参考資料】
夏休み特別企画 交通事故で亡くなったアニメキャラ | 後遺障害無料相談『秋葉行政書士事務所』
主人公が死んでしまうアニメを教えてください。 - アニメ・声優 解決済 | 教えて!goo
自動車誕生から今日までの自動車史(前編) | よくわかる自動車歴史館 | GAZOO.com
『道路が危険すぎ』交通戦争と呼ばれた昭和30年代の日常まとめ6 - いまトピ

*1:実写映画版にはあるらしい

*2:ただしこの作品はトラックではなく乗用車で、ヒロインも死んでない

*3:ピクシブ百科事典では初代センチを「死期の迫った主人公が死ぬ間際に過去に12股かけた女の清算をするストーリー」と紹介している

*4:ちなみに全治1日

*5:GTAをやってると分かりやすいと思う

転生トラックの元ネタを探しに行った

アニメ まとめ

 「転生トラック(トラック転生)」というSS用語がある。
 現実世界で主人公が死んだあと別世界に転生するジャンル、いわゆる転生もののweb小説は数多く存在するが、導入部で「トラックに轢かれて死ぬ」作品がとりわけ多く、他の転生ものと区別してそう呼ばれるようになった。

何故か導入部で主人公がトラックに轢かれて死亡する、という導入を用いるSSが多い(俗に言う転生トラック)。そして神様や天使のような超常的な存在に「本来は現時点で死ぬはずがなかった云々」と言われるパターンが常套である。

SS用語一覧とは (エスエスヨウゴイチランとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


 先日この話題を目にした。

 議論の中身自体はどうでもいいが、Twitter上では『この素晴らしい世界に祝福を!』導入部の話題から転生トラックについて話が広がっていた。

 確かになぜ「転生トラック」と区別されるほど、死因をトラックとの衝突事故に限定した物語が多いのか? 当たり前すぎて今まで気にも留めなかったが、気になるので調べてみた。
 なお、異世界召喚/転移/転生の定義は特に定まっているわけではないが、ここではブックオフオンラインの定義に従う。
 その他の類型については以下の記事が詳しくまとまっているのでこちら参照で。
 「小説家になろう」のWeb小説における異世界ファンタジー類型まとめ - WINDBIRD

転生トラックはいつから稼働し始めたのか

 まず転生トラックがいつ頃から使われ始めた手法なのか調べよう……と思ったら、既にid:myrmecoleon氏が調べていた。

 転生トラックを使った物語は「小説家になろう」に多数投稿されているが、現存しているもので一番古い『魔女の涙』は2009年開始と思ったより新しい。ただ女性文化から訪れたかどうかは保留にしたい。
 女性向けで思いつくのは2011年発売の『Amnesia』。主人公は死ぬ度に並行世界を移動するのだが、その死因の一つにトラックにはねられるというものがある。

(アニメ版第4話「IV」より)
 転生ではないが、商業作品で主人公を別世界に飛ばすトラックが見られるのは興味深い。


 その後もトラックは主人公が異世界転生する際の殺傷道具として登場し、なろうテンプレの1つとして定着していく*1
 2010年代に入ると転生トラックそのものをパロディとして扱った作品が増加。

 この他にも転生トラックをパロった『転生トラックより愛を込めて、転生者を狩る者!』、『トラック転生多すぎだろ! ~トラックの運ちゃんたちが泣いてます~』や『転生トラックと髭』、はたまたトラックに転生する『転生願望者が多すぎる』、更には異世界がトラックに転生する話まであってカオスの様相を呈している。
 先月には『撲殺天使ドクロちゃん』でお馴染みのおかゆまさき氏が、トラックに轢かれたら異世界でトラックに転生していたという連載を始めた。

 転生トラックネタは漫画でもパロディにされるほど。

磨伸映一郎『氷室の天地 Fate/school life』第8巻より)


 上で挙げた『この素晴らしい世界に祝福を!』もこのカテゴリに入る作品で、トラックに轢かれたと思ったら実はトラクターだったとか、実際の死因は轢かれたと勘違いしてショック死というメタパロディになっている。


 なろうの累計ランキング1位に現在も君臨し続け、書籍化もされた『無職転生 - 異世界行ったら本気だす -』は転生トラックの手法を採っている。

 しかし他の多くの作品は事故描写が簡素なのに対し、この作品ではかなり細かく描写されていて、ただのテンプレ転生トラックものではありませんよ、という作者のスタンスを感じる。


 このようにパロディ含め多くの転生トラックものが生まれたが、なろうが転生トラック発祥の地かというとそうではない。

 例えば2006年12月31日に頒布された『ひぐらしのなく頃に礼』収録の「賽殺し編」では、物語が始まるや否や古手梨花がトラックにはねられ、「惨劇が全く起こらない平和な雛見沢村」という別世界で目覚める。

(ゲーム版より)

OVA第2巻「賽殺し編」より)
 異世界転生というより世界線移動に近いかもしれないが、トラックにはねられるパターンは既にこの頃からある。


 小説投稿掲示板「Arcadia」では2009年に「現代からの転生物に出てくるトラックについて」というスレッドが立っている。どうしてトラックばかり出てくるのかという考察がされているのだが、この時点でも転生トラックものが溢れていたことが伺える。
 Twitterを見ると転生トラックの成り立ちについて触れたツイートがいくつかあった。

 U-1とは二次創作SSの用語で、keyから発売されたゲーム『Kanon』の主人公・相沢祐一を超人化させたものを指す。具体的には以下を見てもらうほうが早い。要するにメアリー・スーのようなものである。
U-1(SS用語) (ゆーいちもしくはあるてぃめっとわん)とは【ピクシブ百科事典】
ニコニコ大百科: 「U1」について語るスレ 1番目から30個の書き込み - ニコニコ大百科
 2000年代冒頭は『Kanon』や『とらいあんぐるハート』等のSSが数多く見られたが、その頃からもう定番の手法だったらしい。

 2001年12月19日に発表された『Air』(と『痕』&『エヴァ』のクロスオーバー)の二次創作SS『Midgard~時を駆ける者~』もそんなSSの1つといえる。
Midgard ~時を駆ける者~ 【序章】
 この物語では国崎往人が女の子を助けようとしてトラックにはねられ、エヴァの世界に転移してしまう。


 こうなると最初に使われた事例を探したくなる。

 エヴァSS界隈で現存するSSを漁ってみると、1999年に発表された『EVANGELION in METAL』と『an irony of fate~運命のいたずら~』では、導入部でオリジナル主人公(オリ主)が車にはねられてエヴァの世界に転移する手法が使われている。
 ネット黎明期に発表された二次創作SSを漁っていけば、恐らく最初に転生トラックを使った事例が見つかるのではないかと思う。

 そう、問題は消えたSSやサイトが多く*2、当時の事情に詳しくないと探す手立てがないということだが……。

 アッハイ。

転生トラックの元ネタ

 SSで最初に使われた事例はひとまず置くとして、元ネタを探すことにした。
 転生もの自体の元ネタも探そうと思ったが、宗教の範囲も含んできそうなので、これはブックオフオンラインによる年表*3を参考にする。
異世界召喚・転移・転生ファンタジーライトノベル年表|ブックオフオンライン


 さて、転生トラックの元ネタを探すと、これまたArcadiaで2011年に元ネタを探すスレッドが立っていた。
転生トラック系の元祖
 ここでは2つの作品が挙げられている。
 1つは1982年制作の空モモこと『魔法のプリンセス ミンキーモモ』。
 第1部の最終回、第46話「夢のフェナリナーサ」でモモが暴走トラックに轢かれて死ぬという衝撃の展開を迎える。


 その後、モモは魔女っ子ではなく普通の人間に転生する。トラックに轢かれるし、魔法の世界フェナリナーサから地球へ転生したと考えれば、これも一種の異世界転生といえるかもしれない。
 後藤寿庵氏も転生トラックものに対してモモを引き合いにツッコんでいる。

異世界転生物の場合は、「転生」なので主人公が死ぬことが前提になる。暴漢に刺された、病気で死んだなどのパターンもあるが、びっくりするほど多いのが「トラックにはねられた」パターンである。おまえらミンキーモモか。

「小説家になろう」で見かける転移物と転生物

シナリオえーだば創作術 第57回 『ミンキーモモ』残り4話で、最終回にまとめる方法?
シナリオえーだば創作術 第58回 『ミンキーモモ』打ち切り・最終回・延長


 もう1つは1990年開始の『幽☆遊☆白書』。
 こちらは第1話で、主人公の浦飯幽助が道路に出た子供をかばおうとして、車にはねられ死んでしまう。


 アニメ版も同様。ところが幽助を轢くのはトラックではなく普通の乗用車である。

 元ネタの観点から見ればトラックを使っているモモに分があるかと思ったが、幽白ではこの後の展開が重要になる。

 誰かを守ろうとして自分が犠牲になる点、また霊界案内人という超常的な存在に「あなたの死は予定外だった」と告げられたり、様々な条件を与えられるものの霊能力という力を手に入れる点は、いわゆる神様転生もののパターンも踏襲しているといえる。
神様転生とは (カミサマテンセイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
神様転生について

 90年代後半~2000年代前半のネット黎明期にネットへ繋がるPC(あるいは接続できる環境)を所持し、アニメやエロゲのSSを人目を憚ることなく書いて投稿できる世代、というと当時10代後半~20代以上と想像できる。
 その世代は幽白を中高生の時に見られる世代*4なので、どちらも有名な作品だが個人的には幽白のほうに影響の大きさを感じる。


 アニメ以外に目を向けると、近いものに1979年公開の『天国から来たチャンピオン』がある。

 アメフトチームで控えのジョーは、チームで出場が決まっていたスーパーボウルを前にして、サイクリング中に車にはねられて死んでしまう。天国へ連れて行かれそうになるのだが、実は新米天使の手違いで実際の寿命はまだ50年残っていたことが判明。地上に戻ろうとするもジョーの肉体は既に火葬済み、ということで別の人間の体を借りて現世に舞い戻ることになる……というストーリー。
 ジャンルで分けるなら神様転生+憑依ものになるのだろうか。死んだ理由が神様的存在の手違いというあたりもそれっぽい。
 Wikipediaでは「後に続く「亡くなった人が天国の水先案内人の協力で帰ってくる」という設定の映画・ドラマのはしりとなった映画である」と書かれているが、映画に詳しくないので本当にそうなのかどうかは判断できない*5
 もしかしたら幽白を描く際に、冨樫先生がここから着想を得たという可能性もある。間接的に転生トラックの元ネタになっているかもしれない。
 ちなみにリメイク元である『幽霊紐育を歩く』での死因は飛行機の墜落事故で、2002年に再リメイクされた『天国からきたチャンピオン 2002』では何とトラックにはねられている。


 Twitterでは1991年放送の『101回目のプロポーズ』を挙げる声もあった。

 ドラマの中で武田鉄矢はトラックの前に飛び出すが、ギリギリのところではねられない。ところが面白いことにドラマのパロディではほぼ確実にはねられる。

(『妖怪ウォッチ』第1話「恐怖の交差点」,『NARUTO SD ロック・リーの青春フルパワー忍伝』第26話「ブラック企業の言いなりはコリゴリです」より)

 2000年代冒頭にSSを書いていた世代がドラマを参考にした可能性はある。その世代が書いたSSを見て、また次の世代がパロディ的に扱って……という流れもあるかと思う。ドラマをリアルタイムで見ていない世代でもパロディ経由で知ったかもしれない……この辺の事情に詳しくないので推測ばかりになってしまった。
 いずれにしても直接の元ネタとは違うかもしれないが、トラックにはねられるイメージとして間接的にでも寄与した作品といえるのではないだろうか。

【番外編】なぜ転生鉄骨は少ないのか

 余談というかおまけ。
 異世界に行く手段として工事現場の鉄骨が使われる物語も少なからずある。この手のシチュエーションで最も有名なのは『エターナルメロディ』だろう。



 主人公はある日、通りかかったビルの工事現場で鉄骨落下の事故に巻き込まれてしまう。死を覚悟するも気がつくと見知らぬ異世界にいた……というところからゲームが始まる。
 現世への未練を断ち切る異世界転生ものと違って転移に属するため、主人公は元の世界に戻ろうとするのだが、このゲームでは現世に帰還するか異世界に残留するか、攻略キャラごとに2種類のEDが存在する。転生ものだとそもそも戻る選択肢がないのでこの点は面白い。


 ところがこういった転生鉄骨を扱った作品は、転生トラックに比べると思った以上に少ない。
小説を読もう! || 小説検索
 ↑「鉄骨 異世界」で検索した結果。

 榊一郎氏は「他の死因だと「良くない」のだろう」と書いているが、ある日突然死ぬ(しかも後腐れなく)というのであれば、異世界転生の手段は別にトラックでも鉄骨でもいいのではと考えてしまう。
 それを示す作品に『怪物王女』がある。この作品は原作とアニメ版とで日和見日郎(ヒロ)の死因が異なる。


 原作はこのようにフランドルとワゴン車の事故の巻き添えを食って死ぬのだが、アニメでは姫を守ろうとして落下した鉄骨の下敷きになって死ぬ。

(第1話「蘇生王女」より)
 他人を守ろうとして犠牲になる描写を挿入することで、ヒロの性格や強さが補強されたいい改変だと思う。
 つまりトラックと鉄骨で死因が代替可能なのだ。しかし鉄骨はトラックほど普及しない。


 何故なのか? と悩む間もなく答えが浮かんだ。鉄骨だと舞台が限定されてしまうからではないか。
 例えば鉄骨が落下する最近の作品で浮かぶものといえば『東京喰種』、『俺物語』、『城下町のダンデライオン』、『ビビッドレッド・オペレーション』、『イナズマイレブン』、『デュラララ!!』などがある。『怪物王女』といいTBSアニメが多い気がするのは気のせいか。

(『東京喰種』第1話「悲劇」より)

(『俺物語』第2話「俺の恋」より)

(『城下町のダンデライオン』第9話「スカーレットブルーム・お姉ちゃんの誕生日」,第10話「さーち☆らいとの行方・兄貴面するお兄ちゃん」より)

(『ビビッドレッド・オペレーション』第4話「約束」,第5話「もうひとつの鍵」より)

(『イナズマイレブン』第12話「決戦!帝国学園・前編!!」,第115話「サッカー王国の逆襲!」より)

(『デュラララ!!×2 結』第31話「犬猿もただならず」より)
 イナイレは別として、描かれているのはいずれも街中である。そう、高い建造物がある都会でないと鉄骨落下は描けないのだ。これが田舎ならどうだろう。



 いやこういうビルがあれば別だろうが……。
 ひぐらしやこのすばは転生前の世界が田舎だった*6。田舎では鉄骨落下を描くのは難しいが、トラックなら田舎だろうが都会だろうが描ける。ということから考えても、転生トラックが鉄骨に比べて普及しやすかったのではないだろうか。
工事関係者だがアニメで吊り荷が人に向かって落ちてくるシーンがすごく気になるんだが:わんこーる速報!
日本人が激怒「アニメの世界の安全対策がズサンすぎる!!」【台湾人の反応】 | kaola.jp

(つづく)

【参考資料】
ベタな異世界に行くキャラの法則 - chakuwiki
【小説家になろう】 転生トラックがここまで大流行したのは何故なのか - (´・ω・`)ゆっくりできるブログ 
アニメとか漫画でいきなりトラックが突っ込んでひかれる展開は正直どうかと思う
カーネーション・リインカーネーション - 男の魂に火をつけろ!
異世界転生系コンテンツと21世紀の「浄土信仰」 - シロクマの屑籠
なろうテンプレの中身はなろうで生まれた物じゃないからね!?
動物の飛び出しを庇っての転生系について
現在、「異世界論壇」が立ち上がっているのである。異世界「論」ブームなのだ(俺の観測範囲で) - 見えない道場本舗
異世界/転生ものの視点から紹介する『幻想再帰のアリュージョニスト』 - 魔王14歳の幸福な電波
異世界召喚・転移・転生ファンタジーの歴史 - REVの雑記 - LightNovel Group
異世界転生・転移モノの良さをぶっちゃけたキャッチフレーズ - REVの雑記 - LightNovel Group
小説投稿サイトと作品傾向 - 妄想科學倶楽部
「不特定」転生物の原点
アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』感想と『異世界転生』の考察:異世界調査団(一人) - ブロマガ
この素晴らしい世界に祝福を深夜スレ・・・・・・エリス様と、チェン - ふたろぐばこ−二次元裏may@ふたば過去ログ保管庫
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なろう系異世界転生モノへのよくある批判への個人的対応と、その本質理解について - Togetterまとめ
「小説家になろう」の異世界ファンタジーと『ゼロの使い魔』について簡単な整理 - WINDBIRD
「異世界ファンタジー」の定義が変わっている? - Togetterまとめ

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*1:勿論なろうだけでなくそれ以前、あるいは同時期にArcadia、にじファン、ハーメルン等の投稿サイトでも頻繁に使われている

*2:にじファンも閉鎖して作品閲覧できない

*3:日本限定なのでバローズの火星シリーズなどは含まれていない

*4:モモを再放送で見た人もいるかもしれないが

*5:そもそもこの映画自体、1941年制作の『幽霊紐育を歩く』のリメイク

*6:このすばはトラクターを出す必要があったので必然的に田舎が選ばれたのだと思うが